銘柄研究 【6425】 ユニバーサルエンターテインメント
ユニバーサルエンターテインメントについて調べたみた。
*第1回追記: 2019/09/14
最近、社会人になった後にどうゆうふうにして投資してることを隠そうかなと考えてるんだが、もはや逆の発想になってきて、もし口滑らせてバレたら、「自分らも投資してるからな!」って開き直ることにした。
どうゆうことかと言うと、株式投資をせずに日本円で貯金するだけの人は僕から言わせると「FXで日本円100%に賭けてる。」という状況と同じことだ。と熱説することにした。
ユニバーサルエンターテインメント
概説
・パチスロ・ パチンコメーカー大手2強の一角(競合にセガ・サミー)
・個人的に注目してるのが、フィリピンのカジノ「オカダマニラ」の動向
・PER: 10.4 (多分あてにならん。)
・PBR: 0.68
・時価総額 約2500億円 (結構大きい)
オカダマニラ
オカダマニラとは、これ。
統合リゾート施設。
多分、ここにいるだけで数日潰せるぐらいのいろんなものがある。
ナイトプールとかもやってるみたいやね。
フィリピンの空港から車で約10分ぐらいのところにあるらしい。
てか、自分も行ってみたい笑
値上がりが期待できるイベント
自分はこの会社に関して、以下の3点に関して大きく動向が変わると睨んでいる。
1. シンプルにオカダマニラの黒字化
これが1番早そう。
ユニバが99.9%の株を保有している現地のオカダマニラ運営法人Tiger Resortが早く裏口上場してくれたらPLの中身見てある程度損益分岐点に必要な売上高とかわかりそうなんだが、なかなか上場してくれない。
しかし、月次報告書を見てる感じでもどんどん赤字額が小さくなっているのでそろそろ黒字化してもおかしくなさそうではある。
EBITDAでは黒字化してるので、現状の赤字の主な原因は、減価償却による見せかけの赤字で、むしろ節税を行いつつキャッシュは稼げるという投資資金回収における無双状態にいると考えている。
だが、日経会社はPL重視とよく聞くので、決算の見栄えがいいオカダマニラの黒字化が実現すれば株価上がってハッピーだと思う。
2. 99.9%連結子会社 Tiger Resort L&Eのフィリピン市場上場
これが実現してIPO価格が企業価値よりも高い価格で資金調達を行うことができれば、上場会社で99.9%の株式を1社が持っているのは非常に違和感があるので66.7%ぐらいまで減らすのではないか?と考えている。
そうなると、含み益が乗った有価証券を現金化することになるので、今のユニバの社長の感じだと、自社株買い、あるいは配当還元と言ったような施策に出てくれる可能性が高いのではないかと考えている。
恐らくだが、今の社長さん、かなり株価を気にしてる気がする。
社長も第9位株主なので、株主還元は、個人投資家と利害が一致して良いと思われる。
この辺に関しては、分析というよりはかなり希望的観測が含まれているが...。
3. 日本のIRニュースに連動するモメンタム性
最近の横浜IR参入に見られるように、そろそろ話題になりそうなIR。個人的には、IR本命の大阪が2025年に大阪万博があり、それに間に合わせるとなると建設期間+マージンを3年と見積もり、実際に行うかなどを考えるのは、ぼちぼち決着がつきそう。
また市場は、IRに関しては未織込だと思われる(ここ重要)
持ち株でいうと、横浜IRが実現するかどうかで安田倉庫と三菱地所に関係してくるのだが、横浜市がどれだけ本気なのかがいまいちわからない。横浜IR実現時は、特に安田倉庫へのインパクトが非常にでかいと思われる。
以前、横浜本社の日産自動車の失墜により税収が減っている横浜市は本気でIRに乗り込んで来る可能性が高いと聞いたが、その辺の考察もそのうちしていきたい。
リーマンショックからの業績
これ以降ははっきり言ってあまり読む価値ないです。
データが中途半端な揃い具合で分析ができていない。
単位:百万円 | 売上高 | 営利 |
Mar-09 | 19,993 | -11,605 |
Mar-10 | 39,526 | 5,343 |
Mar-11 | 45,019 | 5,264 |
Mar-12 | 74,858 | 26,349 |
Mar-13 | 99,182 | 35,897 |
Mar-14 | 86,760 | 24,650 |
Mar-15 | 88,085 | 21,047 |
Mar-16 | 91,709 | 16,896 |
Mar-17 | 111,187 | 28,609 |
Dec-17 | 68,546 | -9,807 |
Dec-18 | 93,246 | -17,972 |
日付表示ミスってて見づらいな。
2017年12月からはオカダマニラの業績が入ってきてるので、変則決算となっておりそれ以降は12月決算となっている。
気になるのは、
・2018年決算がオカダマニラの売上高を増やしているのに売上高が減っていること
・2017年からオカダマニラの減価償却の負担が大きく営業赤字を出しているところである。
この会社は収益バリューになり得る可能性を持っている会社だが現時点では収益力が測定不能となっている。
また、パチスロ事業の分のみの収益力考察で、損益分岐点がどこにあるかということをプロットしたのが以下の図。
だいたい売上高300億円ぐらいで営業黒字ということがわかるので、決算報告書を見てセグメント別実績のところでスロット機器関連の売上高が300億円以上ならだいたい黒字ということがわかる。
横軸: 売上高, 縦軸: 営業利益 (単位: 百万円)
あとは、オカダマニラ次第って感じですね。
新しい情報が入り次第追記予定。
とりあえず、今年の月次をまとめると以下。
単位:百万PHP | Jan-19 | Feb-19 | Mar-19 | Apr-19 | May-19 | Jun-19 | Jul-19 | Aug-19 |
売上高合計 |
4,018
|
2,544 | 3,494 | 2,670 | 2,823 | 3,207 | 3,508 | 4,082 |
減価償却費 | 489 | 487 | 523 | 498 | 508 | 510 | 515 | 535 |
調整後EBITDA | 649 | 361 | 509 | 314 | 369 | 424 | 562 | 754 |
EBITDA-減価償却費 | 160 | 126 | 14 | 184 | 139 | 86 | 47 | 219 |
(*赤字はマイナス)
EBITDA = 営業損益 - 減価償却費 + その他調整で
その他調整がどれぐらいかよくわからんが、 EBITDA - 減価償却費 ≒ 営業損益として話を進めると、
ここ2ヶ月は黒字。また最新の営業利益率は5.4%となっている。
この後がどうなるかが楽しみ。
現時点でホテル全部稼働してないのと、残りの更地の活用具合に将来性を感じる。
事業価値を測る方法としてマルチプル法などがあるが、赤字の間は税金が引かれないので営業キャッシュフローを見ていく。
キャッシュフローは、以下の様子でなんとも言えない感じ
決算期 | 営業CF |
Mar-10 | 11,556 |
Mar-11 | 26,159 |
Mar-12 | 38,999 |
Mar-13 | 28,088 |
Mar-14 | 2,990 |
Mar-15 | 1,508 |
Mar-16 | 19,118 |
Mar-17 | 23,780 |
Dec-17 | -2,177 |
Dec-18 | 15,280 |
19年度分が欲しい。
オカダマニラの分がどれだけ影響してくるかを次の決算である程度見極めるつもりでいる。
個人的には、赤字でもいいかなぁと思える会社。
おそらく、ここからオカダマニラの事業で営業CFはより安定化していき、赤字扱いなので税金も払わないこと、今の社長の株主への還元姿勢を見ると、
赤字でもキャッシュがあるので、配当・自社株買いをやる。と踏んでいます。
そのため、今のところホールド姿勢に変わりはなし。
唯一怖いのが、円高の影響をもろに受けることが怖い。
大株主
筆頭株主 オカダHD(69.51%)
あとは、5%以下の株主ばかりなので、ほぼ岡田家の独裁状態ですね。
2018年度本決算でいた大下悟(0.7%)さんがめちゃめちゃ気になる。
この人が大株主になった後の他の銘柄のチャート見ると基本死んでるのが多い笑笑
一番最新の決算2019年度2Q決算では大下悟さんはもうおらず(大株主に載ってないだけで、12位ぐらいにいるかも)代わりに大田 宜明さんという、まさかの神戸市の方が第10位株主となっており、0.86%の保有となっている。
(時価総額2000億円越えの企業を0.86%保有とかどんだけ資産家やねんw)
さすがに、個人じゃなくてファンドマネージャーなんかな?
保有資産
資本金9800万円?
四季報を見て、まず気になったことが、資本金が9800万円と時価総額2500億円の割に、他の企業よりも小さいことが気になったので、資本金1億円以下 中小企業と検索した。
資本金1億円以下は中小企業と定義されるというのをどこで知ったんやろというのがモヤモヤしてたけど、よくよく考えたらシャープがやばい時に知ってたっぽい、以下の記事にもやはりシャープの話が出てきた。
ネットキャッシュ
単純にバリュー投資家っぽくネットキャッシュの計算
ネットキャッシュ = 現預金 + 有価証券 - 有利子負債
単位: 百万円
35,807(現預金) + 422(有価証券) + 13,660(投資有価証券) - 78,750(有利子負債) = -28,861(ネットキャッシュ)
と、ネットキャッシュは、約290億円のマイナス。
関係会社長期預け金と、長期預け金は、返還義務があるものと考えて含めていない。
正味流動資産
ネットキャッシュが無理なら、正味流動資産を確認。
単位: 百万円
35,807(現預金) + 9,899(受取手形及び売掛金) + 422(有価証券) + 13,660(投資有価証券) - 634(貸倒引当金) - 172,151(総負債) - 記載なし(非支配株主持分) = -112,997(正味流動資産)
正味流動資産で見ても約1130億円のマイナス。
そこで、フィリピンに持ってる土地が含み益のはずなのでその計算も行う。
フィリピンマニラにおける土地の含み益
ユニバ有報2018年度本決算p.14
この数行から得られる情報は、持分40%のEAGLE Iが2haの土地を約94.2億円でTigerに売却。
ここで、オカダマニラ周辺の土地を2(ha) = 94.2(億円)と仮定する。
また、持分40%のEAGLEの土地のうちTigerにリースしているのが28.518ha
オカダマニラの総面積が44haであるとの情報もあるので、あとは更地6ha?で、こんなものだろうという感じ。
持分割合とこれらの地価・面積からオカダマニラの地価を単純に線形計算してみると
94.2(億円) / 2(ha) × 28.518(ha) × 0.4(持分割合) + 94.2(億円) / 2(ha) × 10.286(ha) × 0.99(持分割合)
= 537.2(億円) + 479.6(億円) = 1,016.8(億円)
の土地資産をユニバが持ち株を通して保有していることがわかる。
また、これはカジノの資産価値になるので、ここに事業価値の分が乗ってくる。
資産バリューかどうか
フィリピンの土地価を65%でディスカウント計算し(日本の税法と同じではない気がするが...。)、正味流動資産と合算すると
-112,997(正味流動資産) + 101,680 × 0.65(フィリピンの土地の価値) = -46,905
となり、合算してもマイナス470億円なので、はっきり言って資産バリュー株ではない。
なので、収益バリューになることを祈っているお祈り投資法を実践。
もともと先月のユニゾの利益確定分で賄えたので、他の銘柄よりも攻めた銘柄にしてもいいんじゃないかと思い購入。
値上がりを祈るのみ。