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会計に必要な知識を整理 vol.5 損益計算書のトラップ

損益計算書は、利益率だけを考えるのではなく、他の指標も考慮して注意してみていく必要がある。 なぜなら、損益計算書にはトラップがあるからだ。

 

利益率が良い会社は効率的に稼いでいる。と以前説明した。

 

seiyafield.hateblo.jp

 

損益計算書は、企業が稼ぐための効率性、稼ぐ力を見ることができる。

例えば、売上高が上昇して、営業利益も上昇するのは、増収増益とみられて

パッとみた感じすごくいい感じがする。しかし、この場合の例外もある。

 

営業利益は、売上総利益から販売管理費等を差し引いて計算できるが、

この損益計算書では、売り上げたもののぶんしか計算していないというトラップが存在する。

つまりどういうことかというと、売れ残った分を考慮していないということである。

 

基本的にものの原価は、「規模の経済」の効果により、物を大量に作った方が原価コストが安くなる。つまり、売上原価は製品を大量に生産するほど減少するのである。

しかし、大量に作りすぎて売上原価を減少させても売れ残りが大量にあれば営業利益はよく見えるかもしれないが、実際には、過剰生産になっている可能性もある。

このトラップの見破り方は、のちに説明する「キャッシュフロー計算書」を見るか、

BSの「棚卸資産」の増減を見ればわかる。

 

例えば、以下のA社、B社を考える。

A社とB社は、ペンを作っている会社で

どちらも工場の稼働費は10000円で、1個あたりの原材料費は100円とする。

しかし、A社は同じ稼働費で5倍生産できるとする。

そうすると、1個あたりの利益が変わる。

A社は99.5円に対してB社は97.5円である。

また、A社は、5倍の個数売れたとして営業利益等を見てみる。

 

  A社 B社
生産個数 20000 4000
1個あたりの製造原価 100.5 102.5
売上個数 5000 1000
1個あたり売上高 200 200
1個あたり売上利益 99.5 97.5
売上高 1000000 200000
売上原価 502500 102500
売上総利益 497500 97500
売上総利益 49.75 48.75
棚卸資産 1507500 307500

*この表は、PLではなく自分で色々混ぜて作った表。

 

緑のところは、A社が圧倒している。売上総利益率に関しては1%違う。

しかし、棚卸資産が約5倍発生し、無駄に生産した可能性も持っていることになる。

 

A社の方が増収増益である。しかし、「棚卸資産」が激増しているので

売れ残りが大量発生している可能性もあるので注意が必要である。