銘柄研究 【9324】安田倉庫
今週の更新~
今回の更新は、自分の保有するバリュー株の中で主力の安田倉庫についての分析(ポジトーク)を行う。
安田倉庫は、芙蓉グループの倉庫業、陸上運送、不動産などをメインとして事業を展開する物流企業である。
主に首都圏に倉庫や物件を保有しており、土地の含み益も凄いことになっている企業の一つである。
社会人になった後も安心して給料をぶち込める会社。
とりあえず、利益内訳をみると不動産賃貸の利益率の凄まじさが一目でわかる。
安田倉庫の中で賃貸不動産事業というのは、利益率が非常に良いため利益の半分ぐらいを占めるような感じになっている。売上と利益の比率おかしいやろ笑
ほんまに不動産ってドル箱やわ。
似たようなものに、amazonの小売り事業とAWS事業の関係がある。
投資家目線として個人的に感じている安田倉庫の一番の強みは、平たい倉庫をぶっ潰して高層ビルに建て替えることで利益率の高い物件に変更することが出来る点にあると考えている。
まぁ、さすがにそんなことすると、「今まで倉庫で働いていた人はどうなるねん!リストラすんのか!」とかゆう問題が実際の経営者には降りかかってくるので、簡単にせんとは思うが...笑
賃貸不動産事業の方が仕事を他社に外注できる分、自社で従業員を抱えるリスクが減るからね。
賃貸不動産で50%以上の利益を取ってほしい。
話はずれるが、従業員目線からするとたまったもんじゃないが、投資家目線からするとリストラは買いなんよな。数年前のソニー叱り。
さらに、安田倉庫の良いところは、持っている不動産に含み益があるところである。
なんでこれを事業説明とかに載せてないのかがちょっと意味不明なんだが(自社で宣伝してほしい。)
元々は日本の4大財閥の一角である安田財閥、グループ内の安田不動産のネットワークを利用した、高収益不動産を都内の港区を中心に保有。
これ、地方の高利回りアパート運営を行う不動産投資家とかが、アセット分散で持つのもいいかもしれない。
時価総額274億円に対して、不動産含み益だけで202億円ある。しかも、純資産が662億円なので、純資産+不動産含み益から見た資産価値は864億円ある。さらに、ここから倉庫の土地の含み益もあるはずなので、これでも少なく見積もっていることになる。
そのため、時価総額の3~4倍ほどの純資産を保有しているという割安さを持っている。
また、同社はリーマンショックの時にも赤字を出していなかった(特に例年と変わらなかった)ので資産を毀損する可能性も低いと考えられる。
約5年前と比較して時価総額はそのままなのに、純利益と純資産が約2倍となっており、5年前は割と適正な価格だったのだろうが、最近の業績に株価が追いついてきていないと思われる。効率的市場仮説が働いていないと判断。
もしかしたら、今後の業績が落ちていくことを織り込んでの現在の株価かもしれないが、ストック型ビジネスに近いことからその可能性は低いと考えており、現状の業績と資産価値を維持できると考えている。株価が2~5倍になるのを期待して買い増ししていこうと考えている。
この会社のデメリットとしては、芙蓉グループの株式持ち合いを利用した買収防衛策を導入していること。配当性向が低いこと。主にこの2つかな。
買収防衛策を導入してなかったら、最近のユニゾHDみたいに買収がかかる可能性が高いと思われるぐらいの割安さだと思う。
有利子負債285億円は、見る人によって見方の変わる指標だが、ネガティヴにはみていない。財閥グループの不動産関連の会社は銀行との繋がりを持っており、さらに借金をするときにも信用が元々ある程度あるのでこの会社の有利子負債はプラスと判断。
毎年、有利子負債の利息を払ってでも経常利益が出ていることからそれだけ収益力に自信があると言うことがわかる。
これらのことから、ローリスクミドルリターンを狙ってこの会社に今後も追加投資を続けていくつもりである。
まさかの今週月曜日に白紙になっていた横浜IR案件のぶり返しで、買い増ししたかったのに株価上昇してしまった...。残念...。